ダトニオの種類と飼育方法

生体全般

ダトニオとは?

正式名称ダトニオイデスはスズキ目・ダトニオイデス科・ダトニオイデス属に分類される魚です。最大全長は30~60cmで、黄色や銀をベースに数本の黒いバンドが入ります。その姿から虎に例えられ、タイガーフィッシュとも呼ばれます。

温和な性格から観賞魚として人気が高く、アロワナなどとの混泳が頻繫に行われています。

ダトニオの種類と特徴

ダトニオ・プルケール(本ダトニオ) Datnioides pulcher

プルケール種はタイ、カンボジアのメコン川、チャオプラヤ川などに生息していますが、特にタイ産のものは「シャム・タイガー」と呼ばれ、最も人気があります。ただ乱獲や開発などによって減少し、近年では流通量が激減、価格は高騰しています。


本種はダトニオの中で最大となることで知られ、大型水槽のメインや混泳魚として古くから重宝されています。明るい黄色をベースに太い6本のバンドを有し、特にセンターバンドが太く入ることや厚い体高を持つことが特徴です。


近年では養殖個体の流通も見られますが、まだまだ希少なため入手難易度は高いです。

ダトニオ・ミクロレピス Datnioides microlepis

インドネシアのボルネオ島、スマトラ島、カリマンタン島に生息しています。現在流通している「ダトニオプラスワン」、「ダトニオリアルバンド」はともに本種ですが、特徴が異なるため分けて記載します。

ダトニオプラスワン

ダトニオ・プルケールより1本多い7本のバンドを有することからプラスワンと呼ばれています。
ボルネオタイガーなどとも呼ばれ、日本での流通量は比較的多いですがバンドが左右対称のものが重宝されます。最大全長は40cm以上に成長します。

https://tropicalfish-online.com/2019/01/29/%E3%83%80%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%B3%e3%80%80%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%e3%80%8020%E3%8E%9D%C2%B1/

ダトニオリアルバンド

種としてはダトニオプラスワンと同一ですが、バンド数が違いダトニオプルケールと同じ6本のバンドを有します。プルケールとの見分け方は、

①前から数えて4本目のバンドが背鰭に向かって大きく広がる

②尾筒に2本のバンドが左右に入る

などがあります。

フォーバータイガー Datnioides undecimradiatus

タイ、カンボジアのメコン川に生息する小型のダトニオで、名前の通り頭部と尾びれを除いた4本のバンドを有します。他のダトニオと比べてバンドが細いことが特徴で、流通量も多く比較的安価で入手できます。

メニーバー・タイガー Datnioides polota

インド、マレーシア、インドネシアの汽水域に生息しますが、純淡水でも飼育可能です。他のダトニオと違い地色が銀であることが特徴で、フォーバータイガーと同じく小型の種類です。

ニューギニア・ダトニオ Datnioides campbelli

ニューギニア島などの汽水域に生息するダトニオですが、メニーバータイガーと同様純淡水でも飼育できます。他のダトニオと比べバンドが不明瞭で、地肌にも黒い発色が見られます。

ダトニオの飼育方法

ダトニオはいずれも種類も丈夫な個体が多く、性格も温和であるため初心者にもおすすめです。またアロワナやポリプテルスなどとの相性も良く、混泳にも向いている種類です。

ダトニオの餌

幼魚の頃は餌用のアカヒレや赤虫などを与えます。メダカが食べれるサイズまで成長すれば、細かく切ったキビナゴなども与えることができます。

中型~大型のダトニオは小赤やどじょうなどの生餌や、キビナゴ、エビなどを好み、個体によってはおとひめなどの人工飼料にも餌付きます。

成長速度は遅い部類に入り、長期飼育が楽しめますが、特に幼魚期は栄養価の高い餌を与えることをおすすめします。

ダトニオの病気と治療方法

白点病

水槽移動や温度変化によって白点病を引き起こすことがあります。治療時には温度を高め(30℃前後)に設定し、0.5%程度の濃度で塩浴を行います。


白点病の初期段階で治療すれば数日で改善が見られることが多いですが、病気が進行すると命を落とす危険性もあるため、早期発見に努める必要があります。

目の白濁り

ダトニオの目が白く濁ることがあります。多くの場合水質悪化によるもので、換水を行い、ろ過層の掃除で改善が見られるケースがほとんどです。また0.5%程度の塩浴で症状が緩和する場合もあります。

ダトニオの発色について

ダトニオには枯葉に擬態する習性があり、特に幼魚期や飼育初めの頃には体が黒くなる黒化が見られます。長期飼育によって発色が良くなるケースがありますが、なかなか発色しない個体もいます。 ダトニオは発色した際に魅力を発揮する熱帯魚ですので、発色対策を見ていきます。

ダトニオ発色対策① 混泳させる

ダトニオは刺激を受けた際に発色することが多いです。パロットファイヤーなどのシクリッドとの混泳によって緊張感を持たせることで綺麗な発色をする場合があります。

ダトニオ発色対策② phを調整する

種類によって異なりますが、ダトニオが生息する川のphに近づけることで発色が良くなるケースがあります。例えばダトニオプラスワンはボルネオのカプアス川に生息しますが、同地は弱酸性であるため水槽でもphを調整することで改善が見られる場合があります。飼育しているダトニオの産地や現地での環境を調べることが良い発色に繋がることがあります。

まとめ ダトニオの特徴と飼育方法

観賞魚として人気の高いダトニオですが、丈夫な種類がほとんどであるため飼育難易度は低めです。またプラスワンやリアルバンドの流通量は比較的多く、寿命も10年以上と長期飼育が可能であり、加えて混泳にも向いています。

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