ポリプテルス全般の特徴と飼育方法

生体全般

ポリプテルスとは?

大型魚の中でも絶対的な人気を誇るポリプテルス。属名のポリプテルス(Porypterus)とは、「たくさんの(poly)ヒレ(pterus)」 という意味で、その名の通り背中に小離鰭(しょうりき)と呼ばれる背鰭を持っています。鰭の数は種類によって異なり、種類を判別する材料でもあります。


現生するポリプテルスのすべてがアフリカ大陸に生息し、ナイル川、タンガニーカ湖、コンゴ川などに分布しています。強い肉食性を持っており、自然界では魚類や両生類、甲殻類などを捕食し、また繁殖は雨季、増水期に行われます。


現生のポリプテルス目は17種ほどが知られているのみで、まだまだ謎の多い種類ですが観賞魚としても人気があります。

ポリプテルスの歴史

ポリプテルス自体は約4億年までのデボン紀に現れたとされ、最も古い断片化石は中生代白亜紀中期から確認されています。当時の形態からあまり変化せずに生き残り今日に至るため、「生きた化石」や「古代魚」と呼ばれています。


アフリカ大陸におけるポリプテルス発見の歴史にはナポレオン・ボナパルトが大きく関わっており、ビキール・ビキールがナイル川にて初めて発見されたのは1798年から1801年にかけて行われたエジプト遠征の最中でした。


近年においては商業輸入が頻繫になされており、多くの愛好家を持っています。

ポリプテルスの特徴

上記に挙げた小離鰭が最大の特徴の一つですが、他にもガーパイクなどと同様「ガノイン鱗」をと呼ばれる厚い鱗によって保護されていることもポリプテルスの特徴です。また水面から空気呼吸ができる肺機能を持ち、また胸鰭の付け根の筋肉が発達しており腕のようになっています。


幼魚期には両生類に見られるような1対の外鰓があり、これらのことから魚類と両生類に進化する分岐点という研究もあります。

ポリプテルスの飼育方法

ポリプテルス自体は非常に丈夫な種類であり、環境さえ整えば初心者にも飼育可能です。大きくなる下顎系、比較的小型の上顎系が存在しますが、共通する飼育方法を見ていきます。

飼育設備について

ポリプテルスの種類ごとに最大全長が異なるため、飼育したいポリプテルスに合わせた水槽を用意してください。大型ポリプテルスは力が強いため、窮屈な水槽では暴れる可能性があります。

また、後述しますが飛び出しの多い種類であるため蓋は必須です。

餌について

肉食性の強いポリプテルスですが、人工飼料にもよく餌付きます。体の大きさにあったサイズのおとひめなどの人工飼料を与えることで飼育できます。


人工飼料への食いつきがよくない場合は、小赤やメダカなどの生餌を与えることを検討してください。また、キビナゴやエビも好む傾向にあるため、冷凍したものをストックしておくと良いでしょう。

混泳について

ポリプテルスは温和な性格である種類が多いため、混泳に向いています。サイズに大きな違いがなければポリプテルス同士の混泳はもちろん可能ですし、アロワナやダトニオなどと混泳させることもできます。

混泳時には餌がすべての魚に行き渡るよう注意し、個体が瘦せることを防ぐ必要があります。

飼育時の注意点

ポリプテルスは水槽からの飛び出しが非常に多い種類です。大きさを問わず、水槽から飛び出て死亡するケースが頻繁にみられるため、頑丈な蓋を用いて水槽から飛び出す隙間が無いようにしてください。


大型のポリプテルスになると力が非常に強いため、水槽に設置してあるライトごと押しのけて飛び出すことがあります。従って水槽の蓋には必要な量の重しをおくことが望まれます。

寄生虫ポリプティについて

ポリプティとはポリプテルスにのみ寄生する寄生虫で、輸入時のワイルド個体にはほぼ間違いなく規制しています。薬浴などでトリートメント後に販売する店舗が多いと思いますが、万が一ポリプティが確認された場合は対応が必要です。

ポリプティの駆除に効果がある「リフィッシュ」を使用して駆除しますが、その前にアクアセイフなどの粘膜保護剤で体力を回復させます。

その後リフィッシュを投薬し治療しますが、劇薬であるため量には十分注意します。治療開始時は規定量の半分程度からスタートすることをおすすめします。


数日程度の薬浴で完治する場合が多いですが、様子を見ながら必要に応じて投薬を続けてください。また、ポリプティは他のポリプテルスに感染するため、同じ水槽内の他個体にも注意を払ってください。

まとめ ポリプテルスの飼育方法について

古代魚として古くから人気が高く、近年では流通量も多いことから身近になったポリプテルス。丈夫な種類が多く、混泳にも向いており、人工飼料でも飼育できるため初心者にもおすすめです。ポリプテルスには様々な種類があり、同種でも個体差が激しくコレクション性の高い観賞魚ですので、気に入った個体をぜひ飼育してみてください。

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